外壁塗装に最適はどっち?油性塗料と水性塗料の選び方

外壁塗装を計画する際、多くの人が直面する選択肢の一つが、油性塗料と水性塗料のどちらを使用するかという問題です。両者はそれぞれ独自の特性と利点を持ち、塗装の目的や条件によって最適な選択が異なります。

油性塗料は耐久性や防水性に優れ、一方で水性塗料は環境に優しく、作業性に優れています。

この記事では、油性塗料と水性塗料の基本的な特徴、それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説し、どのような状況でどちらを選択すべきかについての指針を提供します。

適切な塗料の選択は、外壁塗装の仕上がりの質と持続性に大きな影響を与えるため、この選択を慎重に行うことが重要です。

外壁塗装に使われる塗料の主な成分

外壁塗装に使用される塗料は、美観を向上させるだけでなく、建物を外部環境から保護する重要な役割を果たします。

塗料の主な成分としては、「顔料」「樹脂」「溶剤」の三つが挙げられます。これらの成分がどのように塗料の特性を形成しているのかを理解することは、適切な塗料を選択する上で非常に重要です。

顔料

顔料は塗料に色を与える成分であり、塗装された表面の美観を大きく左右します。しかし、顔料の役割は色彩を提供することだけにとどまらず、塗装面に紫外線や化学的侵食から保護するバリアの役割も担っています。

顔料には無機顔料と有機顔料の二種類があり、無機顔料は耐光性や耐候性に優れ、有機顔料は鮮やかな色彩が特徴です。適切な顔料を選ぶことで、長期間にわたり建物の外観を保持することが可能となります。

樹脂

樹脂は塗料の「結合剤」として機能し、顔料を一緒に固定して塗装面に密着させる役割を持ちます。樹脂の種類によって塗料の耐久性、耐候性、光沢感などの特性が決まります。

一般的に使用される樹脂には、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などがあり、それぞれに耐水性や耐熱性などの異なる特徴があります。選択する樹脂によって、塗装の目的や必要とされる性能を満たすことができます。

溶剤

溶剤は樹脂と顔料を溶解し、塗料を適切な粘度に調整するために使用されます。塗料の塗りやすさや乾燥時間、臭いの強さなどは、使用される溶剤によって大きく異なります。

溶剤には水性と油性の二種類があり、水性塗料は水を主な溶剤とし、油性塗料は有機溶剤を使用しています。水性塗料は乾燥が早く、臭いが少ないため室内用に適しており、油性塗料は耐久性や耐水性に優れ、外壁塗装に適しています。

水性塗料とは

外壁塗装に使われる水性塗料は、溶剤として水を主成分とする塗料で、低臭で環境にやさしいことが特徴です。揮発性有機化合物(VOC)の放出量が少ないため、室内外の空気質を悪化させにくく、作業環境にも優しい選択肢となっています。

乾燥時間が短いため、作業効率が良く、施工後の待ち時間を短縮できる利点があります。

また、水を溶剤として使用しているため、清掃が容易で、塗料が肌や衣服に付着しても比較的簡単に洗い落とすことが可能です。耐候性や透湿性にも優れており、外壁塗装に適しているとともに、幅広い色彩が利用できるため、デザイン性の高い仕上がりを期待できます。

油性塗料とは

外壁塗装に使用される油性塗料は、溶剤として石油系の溶剤を使用しており、乾燥後に強い耐水性と耐久性を発揮します。この種の塗料は、紫外線や風雨による劣化に強く、特に厳しい気候条件下での外壁保護に適しています。

油性塗料は密着力が高く、さまざまな素材の表面にしっかりと固着するため、長期にわたって外壁の美観と機能性を保つことができます。ただし、油性塗料は揮発性有機化合物(VOC)を多く含むため、使用時には十分な換気が必要です。また、乾燥時間が水性塗料に比べて長くなる傾向があります。

水性塗料と油性塗料の違い

外壁塗装に使用される水性塗料と油性塗料は、その成分と特性に大きな違いがあります。水性塗料は水を主な溶剤として使用しており、塗装時の臭いが少なく、乾燥も早いため、環境に優しく取り扱いやすいのが特徴です。

また、清掃が容易で、水で薄めることができるため、家庭でのDIYにも適しています。一方で、油性塗料は石油系の溶剤を使用しており、耐久性や耐水性に優れています。強い陽射しや厳しい気候条件下でも色褪せにくく、長期間にわたって外壁を保護することができます。

しかし、強い臭いがあり、揮発性有機化合物(VOC)を多く含むため、換気を十分に行う必要があります。水性塗料と油性塗料は、それぞれの用途や目的に応じて選ぶことが大切であり、塗装する外壁の材質や環境、仕上がりに求める性能を考慮して選択することが推奨されます。

水性塗料は雨水で溶けてしまわないのか?

水性塗料が一度乾燥すると、雨水で溶けることはありません。水性塗料は、塗装時には水を溶剤としていますが、乾燥過程でこの水分が蒸発し、塗料の成分が固まって塗膜を形成します。

この塗膜は水に強い性質を持ち、雨が降っても溶け出したり、膨れたりすることはなく、外壁を長期間保護します。したがって、水性塗料は外壁塗装に適しており、雨にさらされる環境でも耐久性を保つことができるのです。

最近の外壁塗装は水性塗料が主流

近年、外壁塗装において水性塗料が主流となっています。これは、水性塗料が持つ環境への優しさ、作業性の良さ、乾燥時間の短さ、そして低臭性である点が評価されているためです。

また、水性塗料は溶剤を含まないか、または少ないため、揮発性有機化合物(VOC)の放出が少なく、屋内外の空気質への影響が低減されます。これらの利点により、環境保護を意識する動きが強まる中、水性塗料の使用が推奨され、広く普及しているのです。

水性塗料のメリット

水性塗料は、外壁塗装をはじめとする多様な塗装工事で広く利用されており、その人気の背景にはいくつかの明確なメリットがあります。

臭いがキツくない

水性塗料の大きな利点の一つは、その臭いが油性塗料に比べてキツくない点です。塗料特有の強い臭いが少ないため、居住空間や塗装作業環境での使用がしやすく、塗装後の換気の手間も少なくて済みます。特に室内での使用や、密閉された空間での塗装作業において、この特徴は大きな利点となります。

引火リスクが低く安全

水性塗料は溶剤として水を使用しているため、引火リスクが低く安全性が高いという特長があります。油性塗料に比べて燃えにくく、火災の危険性が低減されるため、安心して使用することができます。これは、特に火気を使用する可能性がある場所での塗装や、家庭内でのDIYにおいても重要なメリットです。

1液型が多く使いやすい

水性塗料には、1液型の製品が多く存在します。これは、塗料をそのまま使用でき、硬化剤を混ぜる必要がないことを意味し、塗料の準備や使用が非常に簡単であることを示しています。使用方法がシンプルであるため、専門的な知識がない個人でも扱いやすいのです。

油性塗料よりも価格が安い

一般的に、水性塗料は油性塗料に比べて価格が安い傾向にあります。このコストパフォーマンスの良さは、大規模な塗装工事から小さなDIYプロジェクトまで、幅広い用途での選択肢となっています。経済的な観点からも、水性塗料は多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。

金属に塗装できないものもある

水性塗料の中には、金属表面に適用できない製品もあります。これは、水性塗料が金属表面の特性と反応してしまうためで、金属用の特別なプライマーを使用するか、金属表面に適した特定の水性塗料を選択する必要があります。したがって、金属表面の塗装を検討している場合は、製品選択に注意が必要です。

水性塗料のデメリット

水性塗料はその環境に優しい性質や使用のしやすさから、多くの塗装プロジェクトで好んで使われます。しかし、水性塗料を選択する際には、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。

油性塗料よりも耐久性が低い

水性塗料は、油性塗料に比べて耐久性が低い傾向にあります。これは、水性塗料が形成する塗膜が油性塗料ほど硬くないため、摩耗やキズ、紫外線に対する耐性が劣るためです。特に、直射日光が当たる外壁や、頻繁に物理的な接触がある場所での使用には、この点を考慮する必要があります。

乾燥しにくい

水性塗料は湿度や気温に影響を受けやすく、特に湿度が高い日や低温の条件下では乾燥時間が長くなることがあります。この乾燥の遅れは、工事のスケジュールに影響を及ぼす可能性があり、作業効率を低下させる原因となります。塗装作業を行う際には、天候や季節を考慮し、適切なタイミングで塗装を行うことが重要です。

塗装できない素材がある

水性塗料は、すべての素材に適しているわけではありません。特に、油分を含む素材や非吸水性の表面では、水性塗料の密着性が低下することがあります。

金属やプラスチックなど、特定の素材に対しては、水性塗料を使用する前に、専用のプライマーや下地処理を施す必要がある場合があります。

また、これらの素材に対しては油性塗料の方が適している場合もあり、塗装する素材の特性をよく理解してから塗料を選択することが大切です。

油性塗料のメリット

油性塗料はその優れた特性から、外壁塗装をはじめとする多様な塗装プロジェクトに広く利用されています。ここでは、油性塗料が選ばれる主な理由として挙げられる耐久性の高さ、汚れの付きにくさ、乾燥しやすいという三つのメリットについて解説します。

耐久性が高い

油性塗料の最大の特長の一つは、その高い耐久性です。油性塗料で形成される塗膜は非常に強固で、紫外線や風雨、温度変化といった厳しい外部環境に長期間耐えることができます。

このため、外壁塗装において長年にわたって建物を保護する役割を果たすことが期待されます。また、油性塗料は水性塗料に比べて色褪せにくいという特性も持っており、美観を長持ちさせることができるのも大きな利点です。

汚れがつきにくい

油性塗料はその表面が滑らかであるため、汚れが付着しにくいという特性があります。この滑らかな塗膜は、塵や泥水が付きにくく、また付着した汚れも落ちやすいため、建物の外壁などが常に清潔な状態を保ちやすくなります。定期的なメンテナンスがしやすいという点も、油性塗料のメリットの一つです。

乾燥しやすい

油性塗料は、比較的乾燥しやすい性質を持っています。これは、油性塗料の揮発性の溶剤が蒸発する速度が速いためで、作業効率の面で大きなアドバンテージとなります。特に、気温が低い時期や湿度が高い環境でも乾燥時間が短いため、工期の短縮が可能になります。

しかし、速乾性が高いという特性は、作業時間が限られることを意味するため、塗装作業にはある程度の技術とスピードが求められることになります。

油性塗料のデメリット

油性塗料はその耐久性や美しい仕上がりで知られていますが、使用する際にはいくつかのデメリットも認識しておく必要があります。

臭いが強い

油性塗料の最も顕著なデメリットの一つは、その強い臭いです。油性塗料に含まれる有機溶剤が蒸発する際に、特有の刺激臭を放ちます。

この臭いは、塗装作業中や乾燥過程で周囲の環境に広がり、作業者や周囲の人々に不快感を与えることがあります。特に閉じた空間での使用や、換気の悪い場所での作業では、この臭いが長時間残ることもあり、健康への影響を考慮する必要があります。

水性塗料よりも価格が高い

油性塗料は一般的に水性塗料に比べて価格が高めです。これは、油性塗料の製造に使用される原材料や、その耐久性や仕上がりの質に対する価値が反映されているためです。

耐久性や特定の用途での性能を重視する場合、油性塗料の高いコストは正当化されるかもしれませんが、予算が限られている場合や、大規模な塗装では、コスト面で水性塗料の方が魅力的に映ることがあります。

まとめ

外壁塗装において油性塗料と水性塗料のどちらを選ぶかは、塗装を行う建物の状況、予算、環境への配慮など、多岐にわたる要因を考慮する必要があります。

本記事を通じて、油性塗料の耐久性と防水性の高さ、水性塗料の環境への優しさと作業性の良さという、それぞれの塗料が持つ特性と利点をご紹介しました。最終的には、これらの情報を基に、ご自身の塗装プロジェクトに最適な塗料を選択することが求められます。

適切な塗料を選ぶことで、美しく長持ちする外壁を実現し、建物を長期にわたって保護することができます。塗料選びは外壁塗装の成功を左右する重要な要素です。この記事が、皆さんの塗料選びの一助となれば幸いです。

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